SAPEURという男たち
以前、NHKの番組で、コンゴ共和国
のとある人々の生き方をテーマに特集を
組んでいた。
「SAPEUR(サプール)」という男達。
SAPEUR(サプール)」とは、
「SAPE(サップ)」=「Society for the Advancement of people of Elegance」「エレガントで愉快な仲間たち」を楽しむ男達のことを指す。
彼らの事は先ず見た方が早い。
高級ブランド服を見に纏い、軽やかに、そう花のように軽やかなステップで踊るように街を闊歩する。
彼らの原則はこうだ。
1.上質な服をエレガントに着こなす
2.色彩感覚を磨き、色のハーモニーを奏でる
3.武器は持たない。軍靴を履く代わりに平和のステップを刻む
4.気取って歩き人を魅了する
5.他人を認め、他人を尊重し、他人に敬意を払う
6.個性を大事に、誇り高く生きる
※「WHAT IS SAPEUR ?――貧しくも世界一エレガントなコンゴの男たち」より引用。
コンゴの歴史を私は知らない。
だが、
おそらくは悲しい歴史を長く経てきたのであろう彼らの国情は、煌びやかに着飾った男達の背景から、嫌でも目に飛び込んでくる。
決して裕福ではない。
そうすることで、何か彼らに金銭的なメリットなどもない。
誇りなのだ。
彼らがその姿であることは、戦火の争いと対局で戦い抜くという意思表明でもあるように思う。
彼らの着るブランド服は、いわば戦闘服。
戦闘服を身に纏う彼らの姿は美しく、誇り高い。
ここで、私たち日本人はどうか?
現代の日本人にそこまでの覚悟を強いるのは勿論、間違いである。
いつだってお洒落は楽しむもの。
そこに精神性を持ち込むのは不粋というものだ。
ただ一つ、少し気になった事がある。
「ボロは着てても心は錦」
「武士は食わねど高楊枝」
いずれも清貧の心得として、古く日本で言われてきた言葉だが、
(根底にある考え方はサプールと武士が共通であるとして。)
サプールがこれを読んで、なんと思うのか。
反論するのだろうか?
それとも彼らのこと、寛容な心を持って、
「それもアリさ。」
と言って、にっこり笑ってくれるのだろうか?
私にはわからない。
後者であって欲しいというのは平和ボケした私達日本人の甘えだろうか。